おばあちゃん、ついに寝たきりになる!
約三か月にわたる入院からの退院後、デイサービスでの機能回復訓練が功を奏し、おばあちゃんの歩行能力はかなり回復ました。そして、深夜の家の中の徘徊も復活してしまいました。
家の中の徘徊は、主に空腹による食料調達のための徘徊です。もともと身体の悪かった義父の為に廊下に手すりを付けてありましたので、おばあちゃんの部屋からキッチンまでは楽にたどり着くことができます。リビング経由であっても、家具を伝ってたどり着くことができます。
その目的達成の痕跡として、朝、キッチンが大変な状態になっていることが度々ありました。冷蔵庫の扉は開いたまま中には物が散乱、床にも食品が散り、テーブルには夕食の残りを入れてあった容器が中身と共に転がっていたり…等々。
仕事で出掛ける日の忙しい朝であれば、なおさら大変です。そこで夜は、寝る前に冷蔵庫の扉に透明のガムテープを貼ることにしました。これは結構強力で、扉は開きません(ベタベタになりますが…)ので、しばらくの間は毎晩貼りました。物の配置もいろいろ変更しました。また、夜中に空腹にならないように、夕食後に甘いお菓子を出したしたりもしました。
認知症で、満腹中枢にも異常をきたしている可能性がありますのでどうかとは思いましたが、デザートですよ~と出したときのおばあちゃんがとても嬉しそうでしたので、しばらく続けました。心の満足は多いほど、脳にも良いと思われます。
そんなある朝、おばあちゃんの部屋に行くと、腰が痛くて起きられないと言います。少し動かしてもとても痛そうです。これは、夜中に転んだのかもしれないと本人に聞いてみましたが、認知症ですので夜中のことはもう記憶にありません。とにかく病院に行く必要がありそうですが、さあどうやって連れて行きましょう・・・むやみに救急車を呼ぶものではないという夫の信念のもと、孫が敷いていた小さい敷布団におばあちゃんを乗せて(おばあちゃんはとても小柄です)二人で運び、車に乗せることになりました。運ぶときも乗せる時も、相当痛かったようですので、このような時はやはり救急車を呼ぶ方が良さそうです。(病院で聞きましたが、普通は呼ぶようです。)
さて何とか病院に着きましたが、認知症の患者さんは、受診すること自体大変です。レントゲン写真を撮るもの大変でしたが、何とか診察が終わりました。診断は、圧迫骨折でした。お年寄りは、転ばずとも、ソファーに勢いよく座るだけでも腰を圧迫骨折する危険があるそうです。
入院しますか?と尋ねられましたが、前回の約三か月の入院で認知症が進んでしまい、更に進むことを心配した夫の意見で、自宅で療養することになりました。
ここから、いよいよ「寝たきり」の介護が始まりました。