気がつかなかった肺炎~熱が出ない!
突然の呼吸困難により、低酸素血症を発症して入院したおばあちゃんですが、そもそも何故、呼吸困難を起こしたのか。
おばあちゃんは、誤嚥性肺炎を起こしていたのです。
誤嚥性肺炎は、誤嚥によって気管に入った食べ物や唾液と共に細菌が入り、肺が炎症を起こして発症します。嚥下機能が低下してる高齢者を介護する者にとって、最も警戒する病気です。
飲み込みやすいよう調理する、食べる時、飲む時の姿勢などに注意を払うなど、介助時にできる努力はしていたつもりでしたが、予防には限界がありました。この様な事態になってから、お医者様に聞いたりあれこれ調べたりして知ったのですが、誤嚥性肺炎の一番の原因は、睡眠中の唾液の誤嚥だそうです。睡眠中の唾液を管理するのは不可能で、お手上げです。
そうなると後は、口内の細菌をできるだけ少なくするよう、口腔ケアに注意するしかなさそうです。
完璧な予防は難しいとして、ではなぜ、肺炎を起こしていることに気が付かなかったのか。
それは、おばあちゃんに普段の様子と大きな変化がなく、何より熱が出なかったからです。ふつう肺炎を起こすと病気と闘うために発熱しますが、高齢者には闘う体力が無く発熱できないのだと、お医者さまから説明を受けました。
では普段の様子との変化があったかといえば、食欲は普段からムラがありますし、眠っていることも多く、食事中にむせることも時々ありますので、変化には見えませんでした。むせて心配はしても、熱が出ていなければ大丈夫ではないかと、素人の私たちは油断してしまいました。
月に一度、糖尿病で診察を受けていることも安心材料でしたが、考えてみれば、ひと月の間に発症することも大いに可能性がありました。ちょうど検診に行こうと思っていた日の朝、急にゼロゼロと痰が絡みだし呼吸困難を起こしたのも、そのひと月の間に悪くなったという事でしょう。
呼吸困難を起こして救急病院に運ばれた時にはそれでも発熱していましたが、手当により翌日には下がりました。その後お医者様から誤嚥性肺炎は繰り返し易いことなどの説明を受け、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性の低い治療を選んでいくこと重要だということが分かりました。