認知症~寝たきり介護の救世主・ハイテク介護用ベッド

いよいよ寝たきりの介護始まる!

三か月の入院を経て退院したおばあちゃんは、トイレ通いで足腰を鍛え、夜の自宅内徘徊を再開しました。そんなある日、夜中に一人で転んだのか、はたまた、ソファーに勢いよく座っていたのが徐々に骨に堪えたのか、圧迫骨折により歩けなくなってしまいました。

再び入院して更に認知症が進むのを恐れた夫の意向により、自宅で静養することに・・・遂に寝たきり介護の始まりです。

看護師の経験も介護士の経験もありませんので、何もかも全く初めての経験です。骨折で痛みのあるおばあちゃの着替えをさせるだけでも大変です。身体を拭いたりオムツの交換をしたり・・・ご飯やお薬を飲ませるのも試行錯誤です。この時初めて、入歯を外す時は、引っ張るのではなく押すのだと言う事を知りました。

そんなこんなを、おばあちゃんのベッドの上で前かがみでやるものですから、すぐに腰が痛くなりました。介護用のベッドがあることは知っていましたので、お借りしたいとケアマネージャーさんに相談しました。

すぐに、前回退院した時に車椅子をレンタルした業者さんに連絡してくださり、ベッドを借りられることになりました。手配と対応の速さには感動しました。介護で心身ともに疲れている者には、そのような一つ一つが嬉しいものです。

まずは、おばあちゃんのベッドを解体し、部屋の準備をしました。そして早速届けられたベッドのパーツが組み立てられ、立派なハイテク介護用ベッドができあがりました。

介護用ベッドの存在は知っていましたが、多少高さが変えられてリクライニングができるだろうという程度の印象でした。ところが実際は、リクライニングはもちろんですが、想像以上の高さまでベッドが上がり、下げることもできます。この高さが、腰の負担を劇的に減らしてくれました!もうこのベッド無しの介護など考えられません。マットも軽く、手入れし易くなっています。

レンタルの自己負担は月々1100円です。今は寝たきりではありませんが、そのままレンタルしています。介護用品は日々進化しているようです。情報を集めケアマネージャーさんに相談し、ハイテク介護用品の力を借りながら介護していきたいものだと実感しています。


認知症~圧迫骨折から寝たきりへ

おばあちゃん、ついに寝たきりになる!

約三か月にわたる入院からの退院後、デイサービスでの機能回復訓練が功を奏し、おばあちゃんの歩行能力はかなり回復ました。そして、深夜の家の中の徘徊も復活してしまいました。

家の中の徘徊は、主に空腹による食料調達のための徘徊です。もともと身体の悪かった義父の為に廊下に手すりを付けてありましたので、おばあちゃんの部屋からキッチンまでは楽にたどり着くことができます。リビング経由であっても、家具を伝ってたどり着くことができます。

その目的達成の痕跡として、朝、キッチンが大変な状態になっていることが度々ありました。冷蔵庫の扉は開いたまま中には物が散乱、床にも食品が散り、テーブルには夕食の残りを入れてあった容器が中身と共に転がっていたり…等々。

仕事で出掛ける日の忙しい朝であれば、なおさら大変です。そこで夜は、寝る前に冷蔵庫の扉に透明のガムテープを貼ることにしました。これは結構強力で、扉は開きません(ベタベタになりますが…)ので、しばらくの間は毎晩貼りました。物の配置もいろいろ変更しました。また、夜中に空腹にならないように、夕食後に甘いお菓子を出したしたりもしました。

認知症で、満腹中枢にも異常をきたしている可能性がありますのでどうかとは思いましたが、デザートですよ~と出したときのおばあちゃんがとても嬉しそうでしたので、しばらく続けました。心の満足は多いほど、脳にも良いと思われます。

そんなある朝、おばあちゃんの部屋に行くと、腰が痛くて起きられないと言います。少し動かしてもとても痛そうです。これは、夜中に転んだのかもしれないと本人に聞いてみましたが、認知症ですので夜中のことはもう記憶にありません。とにかく病院に行く必要がありそうですが、さあどうやって連れて行きましょう・・・むやみに救急車を呼ぶものではないという夫の信念のもと、孫が敷いていた小さい敷布団におばあちゃんを乗せて(おばあちゃんはとても小柄です)二人で運び、車に乗せることになりました。運ぶときも乗せる時も、相当痛かったようですので、このような時はやはり救急車を呼ぶ方が良さそうです。(病院で聞きましたが、普通は呼ぶようです。)

さて何とか病院に着きましたが、認知症の患者さんは、受診すること自体大変です。レントゲン写真を撮るもの大変でしたが、何とか診察が終わりました。診断は、圧迫骨折でした。お年寄りは、転ばずとも、ソファーに勢いよく座るだけでも腰を圧迫骨折する危険があるそうです。

入院しますか?と尋ねられましたが、前回の約三か月の入院で認知症が進んでしまい、更に進むことを心配した夫の意見で、自宅で療養することになりました。

ここから、いよいよ「寝たきり」の介護が始まりました。


認知症~幻覚・妄想

 妄想の中で朝を迎えたおばあちゃん

今朝のお話です。

いつものように部屋から「おかあさーん!」と呼ぶ声がしました。姑であるおばあちゃんはいつも私をそう呼びます。自分の母と勘違いしているわけではなく、同居して以来の孫目線での呼び方です。

この呼び方で今のご機嫌がわかるのですが、今日は何だか怒っているようです。

部屋に行き、カーテンと窓を開けて、いつものようににっこりと「おばあちゃん、おはようございます。」と言いました。すると「おはようじゃない!!」といきなり怒ってきましたので「あら。どうしましたかあ?」と間延びしてゆっくり尋ねました。

いきなり怒っている時はたいてい妄想の中で怒っていますので、『あら、私、何も気づきませんでした。ごめんなさいねえ。』というスタンスで対応するようにしています。

「知らない人が家の中に何人も入って来たから(私を)何べんも呼んだのに来なかった!」と怒っていたのです。おばあちゃんにとっては妄想も現実のうちですので、「あらあ。それは大変!申し訳なかったですねえ。」などと相づちを打ちながら話を聞いていると、次第に落ち着いてきました。

おばあちゃんは今長崎県に住んでいますが、岩手県花巻市の出身です。宮沢賢治さんに会ったこともあるという羨ましい過去を持っています。今では話をすることも少なくなりましたが、話す時は、結婚後長年暮らした東京の話は一切出ず、決まって花巻の話ばかりです。

今朝のお話の中にも、花巻から来たという人が三人登場しました。その三人は、何かの選挙に長崎で立候補したそうです。そして、話(演説?)をしているので聞きに行こうと思ったのに(私に連れて行ってもらえず)一人では行けなかったので残念だったそうです。その三人は、家に入って来た数人の中にも入っていたとのことでした。

妄想して幻覚が見える、ということなのでしょうか。朝、私が部屋に入った時にはまだ数人が残っていたらしく、「そこに居るじゃない!」とおばあちゃんがさかんに指をさします。・・・誰かいるの~(;’∀’)・・・ゾワゾワ(寒)

これまでも、妄想は度々ありましたし、そこに人が・・・と指さすこともありましたが、こんなに悪寒を覚えたのは初めてでした!『おばあちゃん大丈夫かなあ・・・だれか”お迎え”にでも来たのかなあ・・・』ゾワゾワ(”_”) 珍しく情緒不安定に陥った私は、まだ朝食に降りてこない娘をわざわざ起こしに、二階の部屋まで駆け上がりました。

妄想の中に居る時、おばあちゃんは俄然元気になります。それは以前から感じていました。思い込みというものは、眠っていた力を呼び覚ますようです。火事場の馬鹿力とは、このようなものなのかと思います。急にシャキッと歩いたり、食欲が復活したり。そんな時は、脱走(走りはしませんが)にも用心する必要があります。

今日のところは、朝ごはんをしっかり食べたあと、話を聞きながら伸びていた爪を切ってあげているうちに落ち着いたようでした。今はソファーでぐっすりお昼寝中です。夜中もずっと誰かとお話ししていたので睡眠不足なのでしょう。眠っているうちは平和・・・子育ての時と同じねえ・・・とよく思います。