90歳、外科的手術で胃ろうを造設する?

外科的手術で胃ろうを造設するかの選択

胃ろうの造設が決まったものの、造設前のCT検査で大腸が胃の前に出張っていることが判明し、内視鏡による胃ろうの造設は断念されました。そうなると、全身麻酔を施して開腹する外科的手術による造設しか方法はありません。90歳という高齢者にはリスクが高まります。取りあえず年明けに外科の先生と面談する事が決まり、それまでに家族で再び話し合うことになりました。

この度の入院で担当医から胃ろう造設の話が出るまで、夫は苦しみの伴う延命治療はしない方針でした。ところが担当医が胃ろう造設に積極的だったことで考えが変わりました。胃ろうは一度造設すれば、経鼻栄養で鼻からチューブを入れるよりはるかに楽であるとの説明があり、その後自分でもあれこれ調べて納得したようです。確かに、延命治療としては鼻からチューブより楽なのかもしれません。

しかし、簡単にできて危険の少ない内視鏡による造設ができなくなった今、90歳を超えたおばあちゃんの、お腹を開いてまで造設することが、果たして本当に本人の為になるのか・・・

おばあちゃん本人が、日本尊厳死協会の会員で延命治療をしないとの宣言書にサインしていた事は以前に書いた通りです。が、もしかすると、亡き義父の意向にあわせて一緒に会員になった可能性も無いとはいえません。以前、妄想で自宅に鬼が登場するたびに「まだ死にたくない」と口にされていました。認知症初期の頃は「もう生きていてもしょうがない」と言われることもありましたが、認知症が進むにつれて人としての本能に正直になるのか、生きる事への執着はかえって増したようでした。その執着が本能によるものなのか、元々のおばあちゃんの希望だったのか今となっては分かりませんが、おばあちゃんの気性を考えると、できる限り長生きしたいタイプだったように思います。そうなると、母の延命治療をしたいという息子の意志を尊重する他ありません。

夫は、外科的手術を受け入れるとの結論を出しました。

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