認知症介護~寝たきりからの脱却・デイサービスの「訓練」

デイサービスでの訓練の成果

圧迫骨折によって寝たきりになってしまった我が家のおばあちゃんは、ハイテク車椅子に乗ってデイサービスを再開しました。痛みが引いたところで、お風呂に入れてもらう為、そして介護者の休息の為です。施設の送迎車に、横になったまま車椅子ごと乗せられてデイサービスに出掛けた日は、本当にほっとしたものです。ひと月ぶりの休息でした。

寝たきりになってからというもの、おばあちゃんの食欲は落ち、このまま弱っていくのではないかと心配していました。ところがデイサービスを再開すると、おばあちゃんはどんどん元気を回復していきました。

デイサービスで過ごす様子は、市町村で配布される『連携ノート』というファイルに、その日のデイサービスで受けた訓練や食事、入浴、排せつや歩行の介助など細かく報告されます。ひと月に一度、体重測定もあります。食事は何パーセント食べたかの記載がありますので、その日の食欲もわかります。食事は施設内で調理され、利用者の様々なニーズに応えて刻みやとろみなど対応してくれます。利用者を飽きさせない日替わりのレクリエーションも工夫され、まさに至れり尽くせりです。

そのノートの報告からも、食欲が徐々に回復し、おばあちゃんの状態に合わせて訓練をしていただいたことが分かりました。そしてデイサービスの回数を重ねるにつれおばあちゃんはどんどん回復し、遂には立てるようになったのです。施設の介護師さんたちもビックリの回復ぶりでした。

このミラクルな回復には、いくつかの理由があると思います。

まず、自宅で寝たきりの場合どうしても刺激に乏しく、気持ちの変化すら起こりにくい環境です。ところがデイサービスに行くと施設で何人もの人に会い、介護師さんに話しかけてもらい、我が家より美味しい昼食を食べさせてもらいます。それだけでも大いに刺激を受けます。刺激を受けるのはとても良い事らしく、明らかにおばあちゃんの表情に変化が現れてきました。過ごす場所を変える事がおばあちゃんの心持にも変化をもたらし、それが理由の一つになったと考えられます。

そして何より効果を上げたのが、訓練だと思います。

施設には看護師や理学療法士の方がいらっしゃいますので、安心して訓練をお任せできます。自宅で寝たきりの場合、素人に本格的な訓練は出来ません。少しづつ何かしらの訓練はできるかもしれませんが、介護者が根気強く訓練する余裕は中々ありません。我が家の場合も、自宅に居るかぎり寝たきりだったことでしょう。そう考えると、デイサービスを再開して本当に良かったと思います。

寝たきりの時は、介護者のペースで介護できるという都合の良い部分もありましたが、「弄便」の問題に悩まされました。寝たきりから回復し取りあえず立ち上がれるようになると、車椅子でトイレまで連れて行き、そこで用を足してもらうことができます。手すりに掴まって立っていてもらい、拭くこともできます。これで「弄便」の問題から見事に解放されました。

介護には色々な段階があると思いますが、寝たきりはやはり大変でした。本人も辛いと思います。「寝たきりにさせない介護」という標語のようなものを見たことがありますが、本当にそうした方が良いと思います。

デイサービスという仕組みがあり、スタッフの皆さまにお世話になり訓練していただき、寝たきりから回復することができて、本当にありがたい限りです。

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