同じ話の繰り返しには上手に話題の転換を図る
記憶障害は、物盗られ妄想と同じか、それより早いうちから現れる症状のようです。我が家のおばあちゃんも、早いうちから、同じ話を繰り返すようになりました。例えば、昔の話など、話し始めて五分と経たないうちに話が振り出しに戻ります。そして延々と同じ話が繰り返されます。さっき聞きましたと言いたいところですが、なにしろおばあちゃんにしてみれば、その都度、新しい話を私に聞かせているわけなので、こちらは初めて聞くような顔をして、何度も相づちを打つ努力をしなければなりません。
しかし、ずっと聞いているわけにもいきませんので、適当な所で話題を変える必要があります。肝心なのは、おばあちゃんの気分を害さずに、関心のある話題に変えることです。お茶やおやつにしましょうかと提案するのは、とても効果的でした。
要介護4となったおばあちゃんは、今では話をすることも殆どありません。ご自身の親御さんを介護されている方は、今は大変だと感じていらっしゃると思いますが、会話のできるうちに、親子の大切な思い出話の時間を共有されてはいかがでしょうか。その様に考えられれば、同じ話の繰り返しも、少し違う心持で聞いてあげられるかもしれません。そしてきっと、介護されているお父様、お母様も心が落ち着かれると思います。
考え方を少し変えるだけで、気持ちが楽になることがよくあります。
先の見えない介護には、気持ちの転換がとても必要だと感じています。