ついに「下の世話」という領域へ踏み込む
認知症のおばあちゃんが圧迫骨折で寝たきりとなり、その介護が始まりました。
身体を拭いたり着替えをさせたり、シーツの交換や三度の食事まで、日々手探りの介護です。
食事は、誤嚥が一番心配だったのですが、ハイテク介護用ベッドのおかげで上半身を少し上げることができましたので助かりました。食事時の水分補給はコップからストローで飲んでもらい、その他の時にはストロー付きのベビー用マグを購入してベッドの枕元に置きました。
着替えやシーツの交換は、ベッドを一番高位置に上げてから行います。これで腰痛はかなり回避できます。以前に何かのテレビ番組で見たことのある方法で、身体を横に向けながら行いました。オムツの交換も同じように身体を横に向けて、オムツを半分ずつに折りたたみながら取り換える技を習得しました。この辺りの技術は、ケアマネージャーさんに教えていただきました。専門家ですので、どんどん質問して教えていただくと良いと思います。素人にはわかりませんので本当に助かります。
圧迫骨折の痛みがある時はそお~っと行う必要がありますので、慣れるまでは特に着替えとおむつ交換が大変でした。痛みが無くなり身体を動かしやすくなると少しは楽になります。しかし、寝たきりだった時ずっと大変だったのは、便の問題でした。
寝たきりになるまで、おばあちゃんはトイレに一人で行っていました。上手く拭けていないこともありましたが、嫁としては(たとえ息子でも)なかなか口や手を出せない領域です。自分が歳を取った時のことを考えても、いちばん最後まで自立していたいところです。そう考えると「下の世話」というものは、何かのきっかけがないと中々踏み込めないところのようです。
「寝たきり」というきっかけにより、いよいよその領域に踏み込む時がきました。
身体を横たえていると便秘になりやすいことは聞いたことがあります。おばあちゃんは便秘にはなりませんでしたが、便の塊が出口で止まってしまいました。いきなり「便の塊」との戦いです。これを出してあげないといけません。使い捨ての手袋や綿棒やら、何か役にたちそうなものを総動員して少しずつかき出しましたが、素人ですので限界があります。便を少し小さくしたところで諦めました。あとは自然に出てくれるのを待つしかありません。
あとでケアマネージャーさんに聞いた話によると、訪問介護で摘便もしてくださるそうです。素人が下手に手を出すより安全だと思います。何度がやりましたが実際ヒヤヒヤものでした。
自宅で介護すると決めたらいつかは踏み込む「下の世話」という領域。リハビリパンツのときと同様、「きっかけ」が必要なようです。「寝たきり」は有無を言わさずその領域へと放り込まれるきっかけになりました。